ベビーカーを押しながら散歩中、たむろして歓談中のヤングたちの会話が耳に入ってきた。「○○のイベントにはゲストがナポリ人歌手ってことだぜー。」「ナポリ歌手って言ってもよ〜、きっとニーノ・ダンジェロとかマリオ・メーロラとかじぇねぇの?」「ゲラゲラゲラ!!!」
16-7歳であろうヤングたちから、相当バカにされて大爆笑された会話に登場した2人の歌手……ニーノ・ダンジェロさんのことはすでに紹介しておりますが、もう1人のマリオ・メーロラさんはまだでした。『珍有名人』のコンチェッタ・モービリさんの欄で多少出てきておりますが、今日はもう少し詳しくご紹介しましょう。
一言でいえば、マリオさんはド演歌歌手です。カンツォーネナポレターノの雰囲気とは全然違う、独自の世界を持っています。その点、偉大と言えるでしょうか。(あんまりちゃんと聴いたことないから断言は出来ないが)彼の曲の大半は、出稼ぎに行く悲しみ&苦労とか、生きながらに家族と離ればなれになる辛さとか、家族を失う哀しみとか、まぁ〜いわゆる『お涙ちょうだい』路線であります。
そんな曲を、感情たっぷりに歌い上げる……彼の演歌歌唱力も素晴らしいですが、演技力も素晴らしい! その点、三波春男もサブちゃんも絶対にかなわないでしょう。でもハッキリ言って、ワンパターンです。悲しいとか辛い歌が多い(しかない)ので、いつもマリオさんは顔をしかめ、悲しそうに歌い上げる。ナポリ語を理解しない人には、彼が何百曲歌っても、まったく同じ歌に聞こえることでしょう。演技力は素晴らしくても、何十年もそればっかりですから、ファンでない人は飽きてしまいます。ファンにはそれがたまらないのだろうが……(笑)。
ところで、そんなマリオさんには自慢の息子もおります。フランチェスコ・メーロラさんといいます。息子さんは若いだろうに、演歌魂を父親から引き継いでおりますから、やけに『渋い』感じであります。でもマリオさんより、表情に幅があり、歌の最中に笑顔も見せます。でも、悲しい歌でも笑顔を見せてしまうので、そこがまだ父親に及ばないところでしょうか。
私は彼ら2人のデュオをTVで観てしまいました。コテコテのごっついナポリ語で歌われるので、歌詞はよく分からなかったのですが、父親が、イタリアに来る昨今の移民者たちについて嘆くところに、息子が「父ちゃん、キミこそ移民したじゃないか! 究極の移民者とは父ちゃんのこと!!」という、なんだか訳分からない歌でしたが、会場にいた観客は大喝采……きっと私のナポリ語力が足りなかったせいで、この歌の魅力を理解できなかったのでしょう。ナポリ語を100%理解して、その歌の意味も100%理解すれば、私も喝采するのかもしれません(んなわけないよ(^.^;)。
彼らのことをよくは知りませんから、もう紹介はここまでにしておきますが、一見の価値はあるド演歌親子歌手……だと思います(笑)。でもこのコーナー、変なナポリ芸能人紹介が続いてしまいました(^.^;。次回は素晴らしい人を取り上げます!! あ、でもある意味、メーロラさんも素晴らしいですが(笑)。23/07/02