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世界で一番陽気でいい加減なナポリ人。男性はマジに女好き?女性はそういう彼等にどういう反応を?家族を大切にするのは本当か?…などなど、ナポリ人の全貌をここに!
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私のイタリア像ナポリコラム |
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「イタリア暮らしの魅力について…」というコラム依頼があった時、私は何点かの原稿を書きました。『暮らし』と一口に言ってもいろんな意味がありますものね。そして採用になったのは四季を通しての暮らしの原稿でしたが、人に焦点を当てた原稿も是非読んでいただきたく思い、ここに公開しま〜〜す(^O^)。19/11/00
イタリアという国には様々な魅力があります。偉大なる歴史、数々の天才を生みだした芸術、世界中の人達から愛されているお料理、そして先端をいくデザインやファッションの世界……。他にも沢山の魅力があり、大昔から現代に至るまで、長靴の形をした、世界的に言えば小国のイタリアが、いつでも何らかの形で世界中の人々を惹き付けているように思います。
私もイタリアの魅力に、強力な磁石で引き付けられてしまった一人です。海外旅行が趣味で、いろんな国を訪れましたが、イタリアだけは他国と全く違った印象を私に与えてくれました。歴史や芸術、文化などに感嘆し、現代のファッションの世界も非常に魅力的でしたが、私を一番惹き付けたのは、イタリア人そのもの、そして、彼等の暮らしぶりでした。そんなイタリア人の暮らしをお話していきたいと思います。
●お買い物だけでも楽しい!
イタリア人は陽気だ!というのは、もはや世界的な常識(?)になっていますが、こちらで生活を始めてからも一番大きく実感した事の一つです。旅行中でも、いろんなお店に行って、言葉の分からない私をからかい半分に、皆さんがジョークの飛ばし合いをしていて、たった一人私は「??」という感じでしたが、実際に生活を始めるようになって、言葉も一通り通じるようになると、イタリア人とのコミュニケーションは、他には変えれらない程、楽しい物となっていきました。
単なる日常品のお買い物の時でもそうです。私はイタリアでも南のナポリに住んでいますので、何でも揃う大きなスーパーマーケットはそうありません。お魚はお魚屋さん、野菜は八百屋さん、チーズやハムはサルミエーラ(食材店)へとなり、毎日いろんなお店を訪れます。「スーパーなら食材一挙に揃って便利なのに! いろんなお店に行かなきゃいけないのは面倒だなー」と思っていましたが、でもそれぞれのお店で、毎日楽しい事が起こっていきます。
例えば、魚屋さん。日本にないようなお魚を見つけると「これはどうやって食べるの?」と聞く事にしていますが、お店の方がとっても詳しく2-3の調理法を教えてくださいます。そして順番待ちをしているお客の奥さん方も「その他にも、こんな調理法があるわよ!」と。そして気が付けば、店員さんと奥さん連中のお喋り開始、そして最後は必ずと言っていいほど、ギャグの応酬で皆が大笑いして、それを聞く私も爆笑していたり。
そして、とにかく笑いを取る為に毎日生活しているような人達も。食材店のオーナーのおじさん達は、毎日やって来る常連さん達に「明日はどんな冗談をかまそうか?」と、寝る前に考えているのでは?と思うほどに(笑)、ジョークいっぱいです。そんなおじさん達のジョークを聞いて、お客さん達もツッコミを入れたりして、益々店内は笑いの渦に巻き込まれていきます。ただ単にお野菜やチーズを買いに行くような、日常のお買い物でも本当に楽しい。「今日は何を買おうかな?」と思う他に「今日はどんなジョークが聞けるんだろう?」という楽しみもあるのですから。
●やっぱり深い家族愛
他人とのコミュニケーションもこんな風に明るく行われるイタリアですが、イタリア人と言えば『家族を大切にする』という事も欠かせませんね。映画などで観て来たイタリア家族像というのは、本当の事なのか? 私はとても興味があり、いろんな家族の姿を生で見ていく事になりました。そして感じたのは、映画で観たイタリア家族像より、実際に目にするイタリアの生の家族の姿は、もっともっと深く、愛情の溢れるものでした。
映画の中では、家族が一体となって限りない程の愛情を示す。そしてそれを観る側も感動し、涙を流す事になりますが、実際のイタリアの家族も、映画のように特殊な状況はなくとも、皆が皆、いつでも出来うる限りの愛情を家族に注いでいきます。映画の題材にならないような、ほんの小さな事……例えば子供が学校で、たった一回でも満点を取れば、本当にそれを誉めてあげ、家族全員が心から喜ぶ。お父さんが仕事に失敗した時でも奥さんは陰ながら慰め、子供達も訳がわからなくても、沈んでいるお父さんに「パパ、おちごと、がんばってね。」と精一杯の言葉をかけ、お父さんはその言葉を聞いて奮起する。
そして一族の、どんな遠い親戚であっても、誰かが病気で危篤状態になれば、大人達でも仕事を休んで駆けつけ、交代で看病を。私の主人のお婆ちゃんが危篤状態になった時もそうでした。お医者様は老衰だと匙を投げ、入院もさせてもらう事が出来ませんでした。でも家族の皆が一同に集まり、お婆ちゃんをどうにか楽にさせてあげようと必死になりました。子供達はそれぞれ仕事や家庭があるのに、眠る時間を削りながら、お医者さんや看護婦さんの代わりに治療や注射をし、親族も揃ってその手伝いをしていきました。お陰でお医者様に「長くても半年」と言われていたお婆ちゃんが、数年息を保っていられたのも、そんな家族皆の愛情のお陰だったと思います。
叔母さんの家でぼや騒ぎがあった時も、家族愛の強さを感じました。女所帯の家でぼや。叔母さんはパニック状態になっています。もちろん消防車を呼び、家族にも電話をかけました。それを知った家族は「とにかく男手が必要だ!」と数名の男性がすぐに駆けつけました。集まったのは何も血の通った家族だけではなく、叔母さんの姪の婚約者まで。そんな男性達は消防車よりも早く叔母さん宅に到着し、てきぱきと作業してぼやを消し、消防車が来た頃には全てが収まって一安心……というようになりました。そして怖がっていた叔母さんの気持ちを静めてあげる為に、女性の家族もドンドンと訪れ、慰めの言葉をかけ、叔母さんは精神的にもすっかり安心出来るようになりました。
よく、イタリアの家族愛はマンマ(母親)の愛情が一番に取り上げられるような気がしますが、母親のみではなく、子供達や親戚達だって、どこまでも深い愛情を家族に示しています。ああ、やっぱりイタリアの基本は家族であるのかな、としみじみ思います。
●仕事と趣味、どちらも頑張る
さて、否定的な話では『イタリア人はあまり働かない』というのもよく言われます。実際はどうなのだろう? これも私の気になる事の一つでした。確かにお役所などの手続きは異様に時間がかかりますし、イタリア全体にのんびりムードが漂っています。ただ日本的レベルから見ればのんびりペースという事であって、決して働き者ではないと断言は出来ないと思います。
会社員は朝8-9時から18-9時まで働きますし、食材店勤務になれば朝8時から夜8時過ぎまでと、お昼休みは2時間〜2時間半程度あると言えど、10時間以上の勤務時間になります。そして、仕事をしながら、自分のスキルアップの為に夜学に通う若者達も。専門職の方々も残業やお休み返上して働く事も多いです。
そして私が一番感心するのは、どんな職業に就いていても、皆が自分の仕事に誇りを持っている事だと思います。例えば、お魚屋さんや八百屋さんが、大学教授やお医者様に卑下する事などありません。同じ、自分の仕事に誇りを持つ職業人として、それぞれの仕事を立派にこなしていきます。
学生だって同じ事。自分が専攻した学問を一生懸命学んでいきます。夏のヴァカンスは別としても、それ以外の時期は、朝から晩まで授業や学校に残っての自習もして、平日の遊びは御法度したりする時期も多くあります。こちらにも彼等の情熱が伝わってくるように真剣に学んでいきます。イタリアの大学生の勉強風景を見ていると「私、こんなに頑張った事なんてなかったかも!」と、反省する程です。そんな風に、学生であれ社会人であれ、自分の学問や仕事に誇りを持ち、勉強したり、働いているのです。
「結構、皆、働き者だ!」とビックリした私ですが、「でも毎日10数時間の拘束があって、ストレスは感じないのかな?」と思うようになりました。でもそんな心配は無用、仕事の他にも趣味を持つ人がとっても多い事も分かりました。
洋服製作工場の若旦那さん。普段は大忙しで工場を切り盛りしていますが、そんな彼がプロのフットサル(イタリア語ではカルチェット)選手でもあると知り、私はビックリ! 「仕事もたいへんだけど、カルチェットもあるから頑張れるんだ。試合で各地に飛んで睡眠時間もままならない事があるけど、自分が大好きな事をしてるから、仕事にも頑張れるんだよ。」と。
他にも音楽が好きな人達は仲間とバンドを組んで活動したりします。イタリア中のピアノバーで演奏を披露するミュージシャン達。もちろん専門の方たちも多いですが、昼は普通の会社員の方々も多い。そんな彼等も「仕事も楽しいけど、自分が大好きな音楽をこういう形で続けていけるのも、もっと楽しい!」と、眠る時間を少なくしても張り切っています。
そんな専門的な趣味だけでなく、ただ単に気の合う友人達と評判のお店に出かけたり、ホームパーティーを開いてはお喋りに花を咲かせ、日頃のストレスを完璧に癒す人達も。主婦達でも、趣味で作っている手作り小物などを知り合いのお店に置いてもらったり、仲間を集めて小さなお店を開店したりして、単調な主婦生活に彩りを添えて頑張る人達もいます。
仕事と趣味のバランスをほどよく取って、そのどちらにも一生懸命になるイタリア人。彼等が毎日楽しそうなのは、こんな理由があるからかもしれません。
●イタリア料理はシンプルだ!
世界中で大人気のイタリア料理。私はこちらで生活を始めてから、イタリア料理をとってもシンプルな物だという認識を持つようになりました。「え? イタリア料理がシンプル? でも旅行中に行く時など、これでもか!という程のご馳走が出て来て、とてもシンプルには思えません!」と、おっしゃる方もいるかと思いますが、日本の例を取って考えてみましょう。外食に行く時は、やっぱり美味しい物を食べに行きますよね? 和食であっても、ちょっとしたおご馳走。でも普段家で食べるのは、素敵な和食屋さんにはない、鰺の開きにご飯、お味噌汁だったりもします(笑)。そして、皆さんがもし、日本で外国人のゲストをお迎えになる時も、わざわざそんなお食事を差し出したりしませんよね? 始めて和食を食べる相手には、やぱりお寿司や天麩羅をお勧めなさると思います。
イタリアでも全く同じ事。旅行者としてくれば、日本で言うお寿司や天麩羅にあたる、世界中で有名な、かなり重めのパスタや手の込んだメイン料理にしか出会う事が多いでしょう。だから「わー、イタリア料理は美味しいけど、お腹に堪える〜!」と、なるかもしれません。でも、日本の皆さんが毎日毎食、お寿司や天麩羅を食べていないのと同じで、イタリア人も普段の食生活は、意外にもシンプルなんです。
もちろん、クリスマスやイースターなどのお祝い時には、家庭でも信じられない程のたくさんのご馳走が出て来ますし、世界中から見ても、イタリア人は食べる事の大好きな大食漢の多い国とは思いますが、普段の彼等の食生活は、本当に軽い物であったりします。試しに、観光地でなく、地元の方々が集まるようなトラットリア(大衆食堂)を訪れてみましょう。すると「あら? こんなにちょびっと? 今までのレストランとは大違いだわ! これなら私もパスタにメインも食べられる!」と、思われる事でしょう。
そして私がシンプルだと思うのは、量の事だけではなく、素材の旬を大切にし、無駄な調味料などがない事です。日本と同じように四季のある国。でも、その四季を味わう事も大切にします。八百屋さんの店先も季節が変わる毎に、品揃えも変わってきます。どこでも一年中あるのは、レタスや人参、玉葱、じゃがいも位のもので、他は旬のお野菜や果物でいっぱいに! お魚なども季節がありますし、そんな一番美味しい旬の素材を活かして作られるのがイタリア家庭料理です。
単純なトマトソースのパスタ、見かけは地味であっても、一番美味しい時期のトマトで作られ、調味料も塩だけで、本当にトマトの味が活きていて、他には変えられない夏のご馳走になったりします。
そしてインスタント物や添加物使用の物に遭遇する機会はめったにありません。働く主婦が忙しくて出来合のお総菜を買う日があっても、信頼おけるお店で手作りの物を選ぶようにするのです。日本で「忙しいから……」と言って、インスタント物や外食が多かった私は、添加物なしの旬の素材を大切にするイタリアで生活を始めて、元々健康ではあったのですが、「もう何も問題なし!」とお医者様に太鼓判を押される程の健康体になったという、思わぬオマケもつきました。
●イタリア人の暮らしもどこまでもシンプルで、そしてそれが楽しい!
お料理の事でシンプルだ!と断言した私ですが、イタリア人の暮らしを全て見てみても、それをひしひしと感じます。家族を大切にするというのも、その現れのような気がします。同じ血が通い、生まれて来て、ずっとずっといつも一番近くに居るのが家族。そんな家族を大切にするというのは、よく考えてみれば、しごく当然の話かもしれません。
それに、仕事や趣味の話もそうです。もし、好きでもないのに始めたら、それをないがしろにしてしまうのは当たり前の事。でも自分が誇りを持っているような学問や職業をしているのだから頑張れる。趣味も大好きな事をして、それをとことんやる。他人とのコミュニケーションもそうです。誰だって「ふん!」とした相手と応対するのはイヤに決まっています。出来れば笑顔の応対を受け、楽しい交流をしたい。それを心から思うイタリア人は、ならば自分からその笑顔を提供して、皆に楽しんで貰おう、そして自分にもその喜びが返って来るのだから万々歳だ!と思っているようで、自ら進んでジョークを言い、笑顔いっぱいの会話を続けていく。
日常の、ほんの小さな事にも喜びと楽しみを見つけ、自分に素直に、そして他者には優しく接していく。笑いたい時は大いに笑い、怒る時や悲しい時も、思う存分に自分の気持ちを表現する。平凡な日常生活の中でも、仕事や環境に左右されず、自分を100%素直に出し、どこまでもシンプルに生きていく。
そんな彼らの中で生活を続けて来た私も、「生きる事って、何も難しく考えなくてもいいんだ。平凡な毎日の中、自分の仕事に頑張るって事だけでも大いに喜んでいいのだし、それに家族はもちろん、買い物途中に会った人達に、笑顔を向けるだけでも、どれだけ生活が豊かに、楽しくなるだろう。日常の、どんな小さな事にも、楽しさや喜びは隠れている。それを教えてくれたイタリア人達と、これからも一緒に見つけいって、一日一日を大切に、楽しく過ごしていこう!!」と思うようになりました。そして、この長靴の形をした国と、そこに生きる人々を、私はずっとずっと愛していこうと思っています。 |
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