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「オススメのワインを教えてください!」とよく言われる事があるが、そんな時私は銘柄や産地を知りたい相手の期待を余所に「『地ワイン』ですかね…」と答える事にしている(笑)。
何を隠そう(別に隠していないが(^.^;)私は大酒飲みで、規則正しく毎日赤ワイン1リットル以上は消費している。が、決してワイン通ではない。一時勉強しようかと思った事はあるが、ワインの世界は果てしなく深い。ナポリのあるカンパーニャ州のワインだけでも膨大な数になる。そんな膨大な数のワインの味と名前を覚えるのは一苦労。
しかも回りにはワイン通の友人が多いし、レストランやカンティーナなどのお店の人だってモチロン通なんだから、好みの味を伝えて彼等に選択して貰う事にしている。で、「美味しいなぁ(*^.^*)」とか「コレはちょっと…」とかの無責任な感想を残し、そして『旨い!!』と思うワインの名前すら数日後には忘れ(笑)、また他のワインをぐびぐび…していたりする(^.^;。
そんな私が常飲しているのが『地ワイン』。『地ワイン』とはその名の通り、地元で作られるワインで、ワイン作りが趣味なオヤジ達が作る個人的な物から、半分商売にしている家族もあったりする。友人などを招いて家でお食事をする時や、家族での祝いの正餐の時でも、銘柄ワインよりも、『地ワイン』の方が喜ばれる事が多い。そんな時、「コレはVinoVinoなんだからね、美味しいよ。」と相手にすすめるのである。
イタリア語でワインは Vino(ヴィーノ)。それを二回重ねる事によって『本当のワイン』という意味に。スーパーで売ってるワインだって、ちゃんとしたワインだし、銘柄ワインだって鑑定付きの由緒正しい本当のワインではあるが、『地ワイン』には名前がない代わりにこうやって「VinoVino」と呼ぶ事で、判別をしているのかもしれない。それになんといっても『手作り』なのだから…。
その味は様々。作り手によっても、葡萄の味によっても、色々変わる。素晴らしい地ワインを作るオヤジさんだって、葡萄によっては味が落ちてしまう事もある。その逆も然り。ただ共通しているのは、銘柄ワインのように重みや深みはないが、『本当にワインって葡萄から作られているんだな』と思わせる素朴さを感じる。素性がハッキリと伝わるワインとでも言えばいいか…。
そんな訳で、私は地ワイン派になってしまい、ワインの名前を一切覚えないのに、個人的にいただくワインを堪能したり、そして美味しい地ワインを、売り分けてくれる一家がいると聞けば、空きペットボトルを片手に(瓶ではなく量り売りなので)「すみませ〜ん、赤2リットルくださ〜い!」と参上して、「あ、ここは旨い」「う、ここは今一かも。でも葡萄の味によるかもしれないから、また今度来よう」とか、評価をし、近隣の地ワインの味を網羅しているという事にかけては、私は『地ワイン通』と言ってもいいかもしれない(笑)。
個人的にいただく物はもちろん無料だが(笑)、量り売りをしてくれる所のお値段は、1リットル2000リレ〜3000リレ。円では100円〜150円程度。こんなお値段で買えるのだから、そこそこのお味の瓶ワインに目も向かなくなるのは、分かっていただけるだろう。
もちろん瓶ワインを否定している訳ではない。大切に作られ、大切に寝かされ、宝石のように素晴らしいワインも沢山ある。そんなワインを飲むと、しばし言葉を失う程になるが、でも、そんなワイン、毎日1リットルは必ず消費する私にとっては、本当に特別の機会に、味を堪能していただく…という感じで、逆に緊張しちゃったりして(笑)。だから私は地ワイン。VinoVinoで、いつも大満足である(笑)。銘柄ワインのように大感動する事はないが、皆さんもいつか地ワインを飲んでみて欲しいと思う。
「でも、それはアキさんがナポリに住んでいるから地ワインを楽しめるのであって、一般旅行者が地ワインに巡り会う事は出来ないのでは?」と、おっしゃる方もいるかもしれないが、実は、旅行者が行くようなスポットでも、地ワインに巡り会う機会はゴマンとある。トラットリアでワインを頼めば、銘柄なんて聞かれない。ただ、赤か白かである。中には辛口か甘口かを聞く店がある程度。そして出てくるのが、カラフェに入ったハウスワイン。コレが、地ワインである。
美味しいトラットリアは、旨い地ワインも出すのが定番。小さいお店なら家族が作っている物とか、ちょっと大きなお店なら提携してる地ワイン業の一家がいるとか…。是非、ナポリのトラットリアで、お食事だけではなく、ハウスワインの味比べもして欲しいと思う。ただ、トラットリアに置かれるワインは、万人の好みを総括しているせいか、地ワインでも軽めの物が多い。だから物足りなく感じる人がいるかも(←それは私(^.^;)。でも家庭料理の食事の共とすれば、満点である。と、言うか、あまりに深いワインであったりしたら、逆に家庭料理にはバランスが取れていない事にもなるし、ワインは『食事の共』が鉄則なんだから、当たり前の話かもしれない(^.^;。
そして何もトラットリアだけではない。食材店:サルメリーアにも、銘柄ワインと共に、地ワインが売られている。量り売りしてくれる所もあるが、瓶に入ってる物まで。瓶に入った地ワインというのは、『ラベルがない』『栓がコルクではなく、シャンペンのような栓』『栓の所にカンタンに作り手と場所が印字されたラベルが張ってあるだけ』の代物。そしてこういう瓶の地ワインは、食材店のみならず、よく観察すれば八百屋や屋台にもある(笑)。
素晴らしい!!と感動する事はないかもしれないし、当たりはずれもある。でも、折角イタリアにやって来る時は、銘柄ワインにだけ拘らず、こんな風に日常的に愛飲されている、ラベルも名前もない『地ワイン:VinoVino』を見つけ、是非、色々と試していただきたい。そんなワインは日本に入ってないんだから、こちらだけでしか楽しめないという事もあるし(^.^;。そして、名前ではなく、ご自分の舌で味を判断してみて欲しい。当たり外れはあるけど、すんごく外れって事はあまりないから(^.^;。(26/04/2000)
写真は、今年のパスクア昼餐に旦那実家に登場したワイン。白は、イスキアの私が大好きなカンティーナの『銘柄ワイン』であるが、赤は、やっぱりVinoVino。
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