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日曜朝10時頃、けたたましい声で起こされました。声の主は、ワゴン車に品物を積んで売り歩く(走る?)物売りのテープの声でした。この物売りは毎週やって来て町中を徘徊するのですが、たいした品物を売る訳ではありません。バッタ屋で売れ残ったような物と表現すればいいのか、「こんな物、誰が買うの?」という物ばかり(笑)。
しかし、そんな物売りでも、宣伝文句だけは大袈裟です。「さぁ、みなさん!ご覧ください!特に子供達!カワイイお人形だよ。こんなにカワイイお人形が…たった!2000リラ!(120円程度)こんなチャンスはないよ!」とか「さぁ、みなさん!ご覧ください!プレゼントにもピッタリの品々です!贈ったら気に入られる事間違いナシの小粋な各商品が、たった!3000リラ(170円程度)!どれでもこれでも3000リラ!こんな素晴らしい機会は今日だけです!!」…とこんな超過大宣伝文句をカセットテープ最大音量でず〜〜〜っとかけ、大々的に売り歩くのです。
そのワゴン車を実際に見た事もあるのですが、商品展示もかなり大胆。車の前面や屋根部分に、商品を両面テープか何かでそこら中に張り付けている。そして手書きの文字で『2000リラ!』と書いてある垂れ幕までつけて、町中を徐行しながら売るのです(笑)。
商品を車体に直張りして展示する大胆さ&大音量の宣伝文句…と何かと派手な物売りですが、誰かが買っている所は実際に見たこともありません(笑)。しかし、ナポリ市外の私の住む町ではかなり有名になってしまい、その物売りの声を真似する人も多く、それで皆爆笑しています。商売上では人気ではないけど、この物売りを知らない人はいない!とまで言い切れる、そんなある意味『有名』な物売りの2000年初売りが本日の日曜でした。
窓を閉め切っているのに聞こえる、相変わらずの大音響。のんびり寝坊していた私は、叩き起こされる羽目になりました。「もぉ〜またあの物売り!!どうでもいいけど、もう少し小さな音にしてくれないかなぁ〜?」とイライラしたのですが、眠いながらも勝手に耳に入る宣伝文句を聞いて、「うわぁ〜!今回はスゴイ!!!」と爆笑してしまいました。
「さぁ、みなさん!ご覧ください!(ここまでは定番文句です:笑)なんという驚き!『鳴る』目覚まし時計が、なんと2000リラ!たったの2000リラ!!」…なんという驚き!…と言うコピーもスゴイですが、『鳴る』目覚まし時計というのも(笑)。「鳴らない目覚まし時計なんてあるのか?」って疑問を持つのは私だけでしょうか?
「さぁ、この目覚ましの素晴らしい音を聞いてください!(と、ここで目覚ましの音が実音で流れる…)ピ、ピピピ、ピ、ピピピ!!!!…お聞きになりましたか?こんなスバラシイ目覚ましが、なんと2000リラ!たったの2000リラ!!」
もうここまで来ると言葉もありません。何か特殊な音ならまだしも、ごく普通の、目覚まし音を実音で、最大音響で流すのですから…この物売りこそが、町中のお寝坊さん連中の目覚まし時計になったのは言うまでもないでしょう(笑)。
「さぁ、みなさん!ご覧ください!なんという驚き!『鳴る』目覚まし時計が、なんと2000リラ!たったの2000リラ!!さぁ、この目覚ましの素晴らしい音を聞いてください!ピ、ピピピ、ピ、ピピピ!!!!…お聞きになりましたか?こんなスバラシイ目覚ましが、なんと2000リラ!たったの2000リラ!!」とエンドレスで流れ、15分後にようやく聞こえない程遠くに行ったようですが…。
世界は2000年だ、世紀末だ、たいへんな時代になるのか? 様々な問題を抱え、この激動の時代をいかに生き抜いていくか?…などと取りざたされますが、私の住むナポリは、大音響でも過大宣伝でも誰一人警察に文句を言う人もなく、「なんという驚き!」「『鳴る』目覚まし」「この目覚ましの素晴らしい音を聞いてください!」と、ノンキな物売りが徘徊する社会…。つくづく『あああ!ナポリは平和だ!!2000年も新世紀もこの調子でいけば、恐い物ナシ間違いナシ!!』と確信した日曜のノンキな朝でした(笑)。
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