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Pasquale豊が生後まもなくの話。私がまだ育児に慣れていなくて、ベビーカーを一人でマンション入口の数段の階段を下げようとしている時、外に歩いていたシニョーラがハッとしたような顔をして私を見た。私は全然彼女のことを知らなかったけど、彼女の顔の反応から『きっと彼女は私を知っているんだ』と察知した(^.^;。
この町に住んでいる日本人、というか、東洋人は私しかいない。だから私が知らなくても相手が知っているということが多い。パーティーなどで一挙に50人の人と出会っても、相手側には日本人が珍しいから印象に残るが、私は一度に50人の判別なんて出来ない。だから向こうが通りすがりに挨拶をしてきて、私も無礼になれないように答えるが『はて。誰だっけ??』と思うようなことがよくある(^.^;。そのシニョーラも、彼女の年齢から見て、きっとご近所さんでマンマの知人か、旦那の遠い親戚か、どっちかのような気がした。マンマと同年代のシニョーラは、この2つの路線しかなかったからだ(^.^;。
で、そのシニョーラ。少しためらいがあったようだけど、段差の所で少し手こずっていた私に「大丈夫?」と気遣うように声をかけておいて、私が「はい、平気です!」と返事をしたら、笑顔を返してくれた。そして「ねぇ、お子さん、2人目? 1人目?」と聞いてきたので「純然たる1人目! 長男です。」と答えたら「随分たったわよねー。」と、そのシニョーラが。
そして私はそのシニョーラと一緒に通りを歩き出した。私がまだ、そのシニョーラの素性を計りかねていたので、それが彼女に通じたのか、彼女自身が明らかにしてくれた。
「私はアナタの洗礼も、結婚式にも参列したの。同じ教会に通う者同士よ。確か、結婚したのは5年前だったわよね? だから私は今日、偶然にアナタが子供を連れている所に出くわして、2人目くらいかと思ったの。勝手な思い込みでゴメンなさいね。でも、心からおめでとう!! こちらのお舅お姑さんも、それからアナタのお国のご両親もとっても喜んでいらっしゃるでしょうね。私もとっても嬉しいわ! おめでとう!」と言ってくれた。
そう言われて嬉しかったのは、私の方だった。家族から愛を受けるのは嬉しいけど、こうやって知らないと『思ってる』人間から言葉をかけられる。でも相手は私たちを『知っている』。ちゃんと結婚した年数だって思い出して、それがピッタリ当たっていた。そして気遣った言葉をかけてくれる。
だから私も、そういう言葉を投げかけられたら、相手の事は忘れずいようと思う。結局、ご近所さんでも、旦那の親戚でもなかった、そのシニョーラ。名前を聞くのも忘れたけど、教会に通っていれば、またいつか必ず会うのだから、今度は私の方から、そのシニョーラに『お元気ですか? ご家族のみなさんも?』と、彼女のことを思う言葉をかけてみようと思う。そして、彼女だけに対してではなく、私が知り合う他の人達にも、こんな嬉しい言葉をかけてあげるような人間になりたい…と思った体験だった。09/03/02
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