
)
前菜3皿の後、ついに
Primi piatti(スープ、パスタなど)に突入である。先ずサーヴされたのは、カボチャのスープ:キャビア添え。色から分かるように西洋カボチャを薄めて伸ばしたようなスープではなく、そのまま漉したのでは?と思えるような感じ。でも重くない。どこまでもスッキリしている。ちなみにカボチャが嫌いで一切食べない私の旦那もこのスープは見事に平らげた。無理矢理ではなく、マジに美味しいと思って平らげてしまったんだそうだ。ドン・アルフォンソのマジックであろう…(笑)。
さて、ここでワインガバガバ飲んでる女性陣(私とアントネッラ)は、トイレに中座。半分がついたてで仕切られているテーブルだった為、満員になった店内の雰囲気を見たのは、それが始めてであった。格式高いレストランとは言え、ナポリである。それも日曜のお昼とあって、皆でのんびりゆっくりと、大きな声でお喋りもしている。子供連れも多いし、ゴージャスレストランとは言え、あくまで家庭的でもある。う〜ん、いい雰囲気(*^.^*)。
そしてトイレから戻って来ると、アルドが「アキ! 料理の手を休めたアルフォンソがたった今、来たんだぞ!!」と言うではないか(T_T)。「うっそ〜〜〜。」とうなだれていると「また後で来てくれるから。ほら、あの角のテーブルで今、挨拶してるのが彼だよ!」と、アルドが指したテーブルの方に視線を向けると、目に映ったのは『気のいいトラットリアのオヤジ風』の男性(笑)。「えーーー?? あの、お方がドドドド、ドン・アルフォンソなんだぁ!!」
そういえば、ミラノの友人が「ドン・アルフォンソはとっても気さくな人で、色々調理法を教えてくれたよ〜。」と言っていたが、私の想像以上に本当に優しそうな、気さくそうな人に見えた。…で、そのテーブルでの挨拶が終わると、ドン・アルフォンソは、つつつ…とこっちにやって来て、窓際角の一番奥の席に座っている私の隣りに直にやって来て「どうも、はじめまして。ようこそ!」と手を差し出してくれたのだぁぁぁ(T_T)。
憧れのドン・アルフォンソにいきなり挨拶された私は、感動のあまり顔が真っ赤になったようだが、それでも来る前に50回くらい練習して来た(笑)挨拶の言葉「お会いできて、たいへん光栄でございます!」を言い、でも彼の笑顔がとっても優しいので、緊張するでもなく「本当にここに来れてお料理を堪能させていただけて、この上なく幸せです!」とか「どれもこれも素晴らしい! 特に青魚には感動です!」とか言いまくっていました(笑)。
「ありがとうね。でもまだまだ食べておくれよ。」とまたまた優しい笑顔…(T_T)。そしてドン・アルフォンソは、アルドに「今までの感じでいいかな? 皆、満足してくれてるよね。」と聞き、再び厨房へと…。
ちなみにアルドがまだドイツで修行中の頃、ドン・アルフォンソが彼の息子を修行に出す為に、アルドに世話を頼んだ位
の仲。単なる同業種仲間というのではなく、マジに昔っからの家族ぐるみのお付き合いなアルドとドン・アルフォンソ一家なのでした。
さて、感動の初対面
を済ませて、すぐに次のお皿が。カリフラワーの『なんとか』のトリュフ添え。感動の余り、名前忘れてる(笑)。なんというか、カリフラワーの暖かい&柔らかいムースのような感じでありました(*^.^*)。ちなみにカリフラワーもナポリでは、家庭でリゾットやパスタに使われる程度で、有り難い野菜とは見なされていない。八百屋で投げ売りである。そんな食材を使って、またしてもマジックで、この上なく上品な一品となる。
そして次に出て来たのは、ナポリ&近郊のどこに行っても食べられる一皿。それはニョッキ・アッラ・ソレンティーナ。ジャガイモと小麦粉で作られるニョッキ。ソースはソレント風(トマトソースにモッツアレッラ)。マジに『どこでも』食べられる物。が!! 普通
の物では、わざわざDON ALFONSOに来る意味がない。もちろん彼は工夫&創造を凝らしているのである…。
サーヴしてくださったのは、奥様のリーヴィアさん。「このニョッキはジャガイモだけで作っていますよ。それに小さくしてるから『ニョッケッティ』。ソースは典型的なソレント風。こういう伝統的なお料理もお出ししないとね。」と謙虚におっしゃるのだが、その実、コレがまた絶品なのである。
美味しいパスタやピザ生地を作るのには、かなりの熟練がいるようだが、ニョッキは芋と小麦粉をこねれば簡単に誰でも出来ると言われている。でも、芋の味の善し悪しで決定的に味が変わってしまうのだ。3-40年主婦をしてニョッキ作り上手でも、芋が不味ければ、出来上がるニョッキも不味くなってしまう。そんな風に『素材が勝負』の一品。が、超プロのドン・アルフォンソは、勝負な素材:ジャガイモのみで、小麦粉など一切加えないニョッキを。
見た目には『ゴテゴテ』してるようだが、実は、厳選された美味しいジャガイモのみで作られ、トマトソースも夏の間に自家栽培された完熟トマトをソースにして保存し、モッツァレッラもそれだけで極上の物。天然塩及びハーブ以外の調味料など一切必要としない、『シンプルな素材だけで出来上がる』一品は、私に『本当に美味しい素材のみで作られた絶品の和食』を思い出させてくれた。見かけは全然違うけどね(^.^;。
ちなみに仕事柄いつも美味しい物を食べてるアルドも、この『ニョッケッティ』を特別 に絶賛。「こんなニョッキは、他のどこに行っても食べられないよ! いやはや、もう言葉を無くすよ…。」と心から言っていました(帰りの車の中でも)。
それに一般ナポリ人のアントネッラと旦那も、やっぱりこのニョッケッティが一番のお気に入りになったよう。他の料理も全部美味しかったのは言うまでもないのですが、彼等が『おぎゃー』と生まれてから、何百回、何千回と食べた事のある、ニョッキ。でもやっぱり『お袋の味』でマンマの作るニョッキが一番!と思っていたのに、二人とも「このニョッキが今まで食べた中で一番!!」と、感服していました(笑)。
本来なら『どこでも食べられる』ハズのありふれた一品の『ニョッキ・アッラ・ソレンティーナ』なのに、やはり、ドン・アルフォンソのマジックが!!!(笑)…が、彼は、素材に拘った料理や、伝統や知恵を引き継ぐ料理の他に、彼自身の『遊び心』を加味したお料理も惜しげなく披露してくれるのである。それは…また明日の報告で!!(^O^) 29/02/2000