開いた口がどうしたって
塞がらない…そんな事件
の数々をお伝えします!
珍事件簿トピックス
日々巻き起こる珍事件を 短文で紹介します!
3 2 1
事件じゃないけど事象
エレベーターにはお金
イタリアの運転免許
これぞ珍事件簿!
闇煙草売人にもいろいろあり
イタリア郵便事情
偽札騒動
公共料金は一体…
ナポリの歯科医達
間違い殺人
幼女ビデオ事件
プロバイダ事情
EURO偽札初体験!
溢れる燃えるゴミ問題
アキがスリにあった??
W杯の裏側で起こった珍事件
ナポリ流盗難防止策
備えあれば憂いなし!
イタリア&ナポリを深く掘り下げていく連載コラム  
困った時にはミラノへ電話
1 2 3
ナポリ市長の改革
1 2 3

H O M E

 
 間違い殺人

イタリアと聞いて思い出す事の一つに『マフィア』があると思うのですが、マフィアというのは元々シチリアの暴力団の名前で、私の住むナポリにはナポリの暴力団が存在します。その名は『カモッラ』。ナポリが犯罪都市と悪名を得てしまったのは、マフィアより恐ろしい、このカモッラが生まれて来てからだと土地の方々はおっしゃいます。

確かにナポリで起こる珍事件には、少なからずカモッラが関係してる事が。ですので、これ以後私の記述にはかなりの回数で『カモッラ』という言葉が出てくるはずですので、どうぞ記憶に収めておいてください。

イタリア全国ネットのニュース番組で「さて、次は悲しい事件です」と言われて紹介されるのが、半分までカモッラが巻き起こしていると言っても過言ではありません。彼等の活動は暴力団ならではの、麻薬、売春、窃盗、偽札…その他てんこ盛りで、残忍な事件はナポリ中で毎日起こっています。

非情のカモッラと一般市民の絵に言われぬような関わり方などをいづれゆっくりとお知らせしたいと思うのですが、初回は、最近カモッラが引き起こした、あまりにばかばかしい事件の報告をしたいと思います。

事の始まりは、やはりコレも暴力団の特許と言われるような『ショバ代』からでした。商売をする人達:大きな工場主から個人商店など全てにおいて彼等はショバ代を要求するようです(さびれた土地にある儲けていそうもない商店などには要求は来ないらしいです)。

つまり「大人しく商売したいなら、黙って払え!」と脅しです。払わないとマジに爆弾を仕掛けられ、工場なりお店を爆破されるので、仕方なく商売人達は彼等の要求するショバ代を支払うのです。

しかし、近年、このカモッラに内乱が起こっています。かなり大きい組織ですので、同じカモッラといえど、数々のグループ(ファミリー?)に別れ、町中で起きるカモッラ同士の撃ち合いで、居合わせた罪のない一般人が死亡した事も数回ありました。

そんな内乱が起こっているカモッラですので、ショバ代要求にも影響が出てきました。簡単に言えば、多重ショバ代を要求される商売人が出てきたのです。

私が見たニュースは、大きな工場の事件でした。工場主は大人しく毎回ショバ代を払っていたのに、別のファミリーがまた別口の要求をしてきました。これ以上どうすればいいのか?と思った工場主は、支払いしていたカモッラのファミリーに「どうにかしてくださいよ!私はちゃんと払ってるのに!」と哀願した模様で、それを聞いたカモッラは「俺達の縄張りを乱す別ファミリーは許せん!」とある作戦を立てたようです。

それは、工場主に彼等とアポイントメントを取らせ、支払うフリをして、そこへそこの縄張りの若い衆が相手を隠れ撃ちするという物だったようです。勿論殺しまではいかなくても、単に見せしめとして急所ではない所を撃つようだったのですが…。

当日、工場に別ファミリーのカモッラがやって来ました。そして工場従業員達と会い、工場内へ案内…の道筋に隠れ待っていた若い衆がズドーンと一発。

殺すつもりではなかったはずですが、撃たれた男は即死。工場内大騒ぎになりましたが、実は騒ぎになったのは他にも理由があったのです。

実はその若い衆、従業員を撃ってしまったのです。事情を知る工場関係者達は「なぜ?どうして?」とパニック状態に陥りましたが、若い衆はその従業員がカモッラだと何故か確信していたとか。伝達間違いなのか、どうかは定かではありませんが、警察が呼ばれ、若い衆は現行犯逮捕、その工場もカモッラの2ファミリーの実体もイタリア全国に報道され、明るみに出ました。

悪の権化:暴力団の存在やそれにまつわる事柄(今回ではショバ代)を批判するより前に、人物間違えて人殺しするなど、もう開いた口が全く塞がらず、私はこのニュースを知った時に唖然呆然。あまりにばかばかしく、冷めた笑いしか出来なかった私です。とにかく、間違えられて亡くなってしまった従業員の方に、深くご冥福をお祈りしたいと思います……。(1999年)