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このコラムは1999年7月に、メールマガジン
【日刊デジタルクリエイターズ】 に連載された物です。
大手プロバイダの接続キットが手に入らず、小さなプロバイダにて開始した私のインターネット生活。海外の友人たちは口を揃えて、「次はホームページだ
ね!」と言っていましたが、3年前のイタリアのプロバイダには、個人にHPの 容量を与えている所は皆無に近い状態でした。もちろん我がプロバイダも別料
金を払わねばならない状態でした。 一日でも早くHPを!と思っていましたが、接続料金より高い別 料金を払う気に もなれず、短期間の契約(時間ではなくデータ容量の従量制)でしたので「まぁ4〜5カ月で終わるだろうし、そしたらプロバイダを変えてHP無料の所にしよう」と考えていました。
そして期限がそろそろ切れる頃に、新規プロバイダ探しを始めましたが、どの
プロバイダもまだ別料金制だったり、あっても1MBが最高。悩んでいると、馴 染みのマックショップのオーナーさんが「テレコムイタリアにすれば?」とア
ドバイスをくれました。 実は当時テレコムイタリアが、大手だったプロバイダ VOL(私が以前キットを 手に入れられなかった所)を買収し、テレコムイタリアネットとして名実共に
最大手のプロバイダになっていました。ショップの方に聞いても、安定してい るし、申し分ないとの事。しかも流通も良くなっていたので、その時には接続
キットを探して電話しまくる…というような事はなく、馴染みのショップにて キットを購入し、ついでに自宅まで来てもらい、設定も完璧に。
が、しかし、最大手となったテレコムイタリアネット(TIN
)でさえ、当時の 無料HP容量は、500K でした。500『K』ですよ、『M』の間違いではありませ ん(笑)。雑誌の広告などには『キミの個人サイトの為に、な・ん・と無料で
500 Kも用意してあるんだよ!!』などと気前のいいコピーがありましたが、 そこまで自慢するような容量ではないのでは? と思っていました(笑)。
(でもま、時間がたてば少しづつ容量 もアップしていくわよね、きっと)と思
っていた私が甘かったのか、1年たってもTIN の雑誌広告は『な・ん・と無料 で500K!!』と、相変わらず自慢げに謳っていました……。 こりゃマジで『500Kとの戦い』でHPを作成しないとならないのか!と思い、友
人のWeb デザイナーに一体どの程度の事が出来そうか聞いてみたり、ジオシテ ィーズのような無料の所でHPを持とうかな、などと思惑しておりましたが、HP
の事ばかり考えていて、重要な事を忘れていました……。
TINの契約も一番短い100時間契約で始めたのに、半年たっても1年たっても使
えてるのです。ネットサーフィンは時々しかしませんが、毎日のお仕事データ 送受信で100 時間など2〜3カ月で過ぎているハズなのに、何故か『継続のお
願い』メールも届かないまま、使用できている……。 TIN 仲間に聞いてみても、皆さんの所には必ずお知らせメールが届くようにな っているとの事ですが、私の所には、一番始めの『ウエルカムメール』(しか
も日付が2005年になっていた!)しか届いておらず、そのまま普通に接続でき ている……。
「100 時間で契約したんですけど、一体どうなっていますか?」とサポートセ
ンターに電話すれば良かったのでしょうが『向こうから何も言って来ないのに、 わざわざこちらから正直に話すことはない。多大な追徴金に、泣きを見たいの
か?』との悪魔の声(笑)が聞こえてきて、(いーや、いーや、このまま使っ てしまえ!)と開き直っていたのです。 実際サポートセンターに電話しても、通
じることはありません。まだ100 時間 中だったと確信できる頃にトラブルがあって、質問メールを出しても返事は来 ない。電話をしても毎日毎時毎瞬間『お待ちください…』のアナウンス……。
どうしても自分で解決できないトラブルでしたので、30分も『お待ち下さい』 のアナウンスに耐えてようやく通じた程でした。
そんな訳で完全に無償と思われるまま、使い続けて来たTIN
ですが、その期間 がさすがに1年半ともなると、私も罪悪感(?)に蝕まれるように……。が、 しかし、素直に申し出る勇気もない小心者(と、いうかセコイ私?:笑)は、
(他のプロバイダに加入してTIN から知らない内に逃げ出してしまえ!)と思 ったのです(笑)。そして、その時を待っていたかのように、新規のプロバイダが誕生しました。
まるでテレコムイタリアの真似をしたかのように、イタリアが誇る、かのオリ ベッティグループが、大手のプロバイダを買収して、名乗りを挙げたのです。
オリベッティグループの挑戦は、プロバイダがメインではありませんでした。
欧米他国、もちろん日本でも今では当たり前のことになっている私設(?)の 電話会社は、実はイタリアには昨年末まで存在しませんでした。電話通信業界
はテレコムイタリアが牛耳っていたのです。 が、さすがに世界の風潮から逆行してると感じたのか、イタリア政府はようや く私設電話会社の設立を許可することになり、真っ先に出て来たのがオリベッ
ティグループの『インフォストラーダ』という会社でした。 電話料金もテレコムに比べれば激安!そしてプロバイダ部門でも、テレコムが VOL という大手を買収したなら、彼らも2番手と言われていたイタリアオンラ
イン(IOL)を買収し、しかもIOL のそれまでのサービスにかなりつけ加えて、 『オリベッティグループとなった我がプロバイダでは、な・ん・と、3メール
アド&2MBのHP容量を提供!』と謳い始めたのです。 強烈なライバル出現! となり、TINもそれまでの500Kからなんとか1Mに容量 アップし『2メールアド&1MBだがイタリア一の安定性を誇る回線状態が自慢
です』と対抗。熾烈なバトルが繰り広げられていたのでした。
さて、私は、こっそりとTINを使っていましたし(笑)、だいたいTINを使用し
ていても『イタリア一の安定性』など感じたこともなかったので、この新規プ ロバイダ誕生に、これ幸いと乗り換えるつもりで、早速インフォに電話をして
みましたところ……電話に出たお姉さんにあっけなく言われてしまいました。 「ナポリにはアクセスポイントありません」
うそー! ナポリって一応はイタリアでローマ、ミラノに続く3番目の大きな
町なのに、どうして? ナポリの隣の小さな町カゼルタという所にはあるのに、 どうしてないのですかー?? と、詰め寄ってみても「ないものはないんです。あ、でも数カ月後にはできる
ようですので…」とのお返事を頂きました。とほほ……。 そして1カ月後、IOL の雑誌広告のアクセスポイント一覧を見て、ナポリにあ ることを発見。即刻電話して加入方法を聞いてみました。「ナポリにもできた
ようなので、加入したいのですが……」 すると電話に出た男性は「え? 始めからナポリにはありますが……」との返 事。「ええ? だって1カ月前に電話した時は同僚の方がナポリにはないって
おっしゃったのですが!」「あ、きっと間違えたんだと思います。ははは…」
「ははは」と言われて返答に困りましたが、確かに私の落ち度がありました。
イタリア人に何か質問して、一度の答えだけで信用してはいけなかったんだと、 反省。すぐさま、大手ショッピングセンターに行きキットを購入してきました。
そのキットには2カ月分の接続がすでに付いていました。それで気に入れば正 契約をするというものでした。
が、オリベッティグループとなって、加入者が
一挙に増加したせいか、IOL はかなり不安定でした。テクニカルのいない週末 など、必ず接続不能になっていた程です。そんな時、私は、こっそりとTIN
に 接続し、仕事のデータを送っていました。ま、確かにTIN は『イタリア一の安 定性』があるのかも?と見直した程でした。 そんなことがあったので、2カ月過ぎたIOL
との封書での本契約をすっかり忘 れていていましたが、私もイタリア流に慣れたのか(ま、平気だよ、きっと。 FAXで受け取ってもらって手続きしよ)とノンキに構えていました。
が、しかし待ち受けていたのは嵐の一週間だったのです(笑)。
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キットでの契約が切れる数日前、IOL に電話して「あのー、たいへん申し訳な いのですが、本契約の封書を送るのを忘れていてFAX
か何かで手続き出来ませ んでしょうか?」とお伺い。電話に出た女性は本来なら規則違反ですがと前置 きをして「特別にFAXでお受けする事にしましょう。」と言ってくれ「FAXが届
いてから48時間以内に本契約の受理メールが届きます」と説明してくれました。
そして待つこと48時間。その時はまだキットでの契約が続いていたので、接続 は出来ましたが、メールが来ない。焦ってまた電話。「きっと遅れてると思い
ます。前回FAXはちゃんと送っていただけたんですよね? なら少しお待ちくだ さい」との事。 しかし、待てど暮らせどメールは届かない。ついに期限が切れ、IOL
での接続 は不可能になってしまいました。それから私は嵐のような1週間を過ごす事に!
私が始めに送ったFAXは、受理されていないという事は明らかだったのですが、 以後のインフォセンターの方々の反応が、面白いように様々でした。
「あなたが封書の本契約を忘れたのですから、こちらは受け付けしません。も う一度キットを買いなおしてください」という慇懃無礼タイプ。 「どうやら以前に送っていただいたFAX
は受理されていません。もう一度送っ てください! 私はxxxと言います。今すぐに私宛にFAXを送っていただけれ ば、私が即、契約の部署に回します」という親切タイプ。
「シニョーラ、お気持ちはわかりますが、我々は対応遅いんです。そんなに焦 らないで、待ってくださいよ!FAX は送ったんでしょ。だったらその内、接続
できますよー。いつって聞かれても困るんですけど」と投げやりタイプ。 「あ、そういう事はこちらでは対処出来ませんので、他の部署のインフォに電
話してください!」と、FAX番号や応対しない電話番号を教える逃避タイプ。
と、他にも色々ありましたが、主なのはこれらの対応でした。この期間に私が 一体何回インフォに電話したか、何通FAXを送ったか、何本のIOLの電話番号を
知ったか、数えるのも思い出すのもイヤになる程です。 確かに私が契約を忘れていたのですから、こちらに落ち度があるのはわかって いましたが、それならそれでFAX
送ってくれなど言わないで、一貫して『ダメ です! もう一度キット買ってください!』と言われれば、そのように対処し ていたのですが、毎回電話して対応が違うので、まさにパニック!
しかも私はすでに数通 のFAX を送っていましたので、(コレが間違って一挙に 多重契約になって請求されたら困る!)と切実な思いがありました。
せめてそ の結果だけでも知りたいと思いました。 それに私も毎日数回電話するのに疲れて来ていましたので、4〜5日たった頃
には「こちらの落ち度はわかっています。ダメならダメでいいですが、せめて 今まで私が送ったFAX がどのようになってるのか知りたいですし、インターネ
ットを仕事で使っているので、キチンとしたお返事が欲しいのです!」と訴え ても…… 「まぁそんなに焦らないでください」 「xxxに電話して見てください!」
「今までのFAXはどれも受理されていないらしいです。ではもう一度」 などと、全く以前と変わらない対応でした……。
さすがに私もむかついて、最後の手段に出る事にしました。それは「ワタクシ は日本人でございます」という決めセリフです(笑)。
それまでにも何かトラブルがあった時に、私が外国人、しかも日本人とわかる と対応が若干でも違った事がありました。イタリア人には『日本人といえば働
き者! 正直者! キッチリしてる!』というイメージがあるようで(彼等に比 べたら正しくそれは事実なのですが)、特別待遇を受ける事もままあるのです。
よし! もう今日はこの作戦で行こう! と張り切ってIOL にダイヤル…「すみ ません、私はこれこれこうで、こういうトラブルを受け、対処も様々でどうし
ていいかわかりません。実は(ここで声を大にして)ワタクシは日本人で、イ ンターネットで日本側と仕事しております。一刻も早く適切な指示を頂きたい
のですが」と問いかけました。 すると、電話に出た女性は「お待ちください…」と、いつにない反応をしまし た。
待つ事しばし「あの、申し訳ございませんが、もう少々お待ちください」 また待つ…。次に出た女性は前の女性ではなく、どうやら責任者のようでした。
「こんにちは、奥様。いかがなさいました?」言葉遣いを聞いても確かに責任 者の風格が、そこはかとなく漂っていました(笑)。
私は彼女に事の全貌を語 り、日本人である事も存分にアピールして、返事を待ちました。 「そうですか、たいへん申し訳ございません。FAX
の方を確認して参りますの でしばらくお待ちください」数分後、「奥様、送っていただいたFAX は全て受 理されていないようです。どうやら対応した者達が違う部署のFAX
ナンバーを お渡ししてしまったようですね。本来はFAX での契約は受け付けないのですが、 お仕事でお急ぎのようですし、xxxの番号に再びお送りください。その際は
『至急再契約』というタイトルを付けた文書もお送りください。内容はこれか ら説明する通りです……」 と、適切な指示がようやく受けられる事になりました! しかも普通
なら48時 間後の所を「24時間以内でどうにか致しましょう」との有り難い言葉も! そ して実際、私がIOLに再接続できたのは、たった10時間後の事でした。
(もーこんな事なら、さっさと日本人って言えば良かったなぁ)と思いました が、嵐のような電話攻撃一週間の後、ようやくIOL
に再接続出来、安心感で一 杯に! しかも不安定だったサーバーもその月に大強化され、TIN よりも充実 したプロバイダになっていきました。 だいたいTIN
ならインフォに電話しても話し中ばかりですし、メールも返事が 来た事ない。それに比べ、IOL はメールでの返事も即刻、電話は……まぁ対応 は色々にしろ、とにかくどうにかしてくれる(終わり良ければ全て良し!で、
嵐の一週間を忘れました:笑)。
そしてプロバイダ業のみならずも、主な電話業においてもオリベッティグルー プのインフォストラーダは圧勝しており、ついにはオリベッティ社がテレコム
イタリアの株を相当数買い込み『電話戦争オリベッティの勝利』とニュース番 組を賑わせていました。
そうこうしている内に、IOL のHP容量も2MBから3MBにアップ!「あらら、知ら ない内にアップしてたのね?」と私もついに個人サイトを作成する事に。
Webデザインなど何もした事ない私ですが、『な・ん・と500k!』から3MBとい う『な・ん・と約6倍!』の納得の容量を手にし、イタリア(特にナポリ)の
珍事件などをお知らせする新聞サイトを作りました。どうぞお暇な時に読んで 頂ければ幸いです(宣伝モードですみません:汗)。
さて、最後に、無事に再契約を済ませたIOL ですが、接続料金:月10.000リラは電話の請求書につけ加えられるのですが…これが…まだ請求さ
れていないのです!! TIN でも私は請求が来ないまま、こっそり使用してましたが(今も…)、なん とIOL からも来ないとは! これも日本人の特権か?!…というのは悪い冗談
ですが、一体いつ初請求が来るか楽しみ(?)にしています。ああ、やはりイ タリアはどこまでもノンキでいい加減な国なんですね!(笑)
(終わり:長い間デジクリに連載させていただき、ありがとうございました。 またどこかで!CIAO!)
しつこく追記:そうこう書いている内に、オリベッティグループはインターネ ットのより一層の普及の為、IOL
とは別に完全無料制度プロバイ ダを発足しました。その名も『LIBERO(=FREEという意)』。今までインター ネットを躊躇してた人達をターゲットとしてるようですが、接続設定のCD-ROM
をも無料配布、サービスは1メルアドですが、HP容量は…な・ん・と15MB!! まさにオリベッティ、爆走のイタリアです(笑)。
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追記:コレは昨年の7月に書いた物ですが、今年に入る前にIOLは『10メルアド&HP容量 30MB』に。今現在、一体どんな状態になってるか、確認もしてません(^.^;。それにしても10メルアドもらっても…(笑)。25/05/00
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