今は蓋があく我が家の水道メーター
夏のヴァカンスが終わり、9月は社会再開!という事で、TVの新番組は始まるは、各種新製品が出るは…で新しい気分のイタリアですが、そんな中、公共料金や税金の値上げも発表されております。TVのニュースで「水道料金も値上げになります。」と報道されていましたが、「そんな事言われても、私には関係ないかもしれない…」と思っています。それは何故か?!…実は私は今まで一度も水道料金なる物を支払った事がないからなのです。
電話や電気、ガス料金は2カ月毎にキチンと請求が来るのですが、ナポリに住んで7年、一度も水道料の請求が来た試しがない。始めの内は「まぁいいか」と放ってありましたが、それが数年続くと私も不安になるようになり、友人に「水道料金の請求が来ないのだけれど…」と聞いてみると、皆、口を揃えて言ったのは「ああ、アレは4年に一度位しか来ないよ!」との事。しかも詳しく聞けば、4年に一度の請求も全世帯に共通で来るのではなく、バラバラに請求書が届くらしいのです。中にはもう10年以上請求書が届いていないと言うラッキーなご家庭もあるのです。「そ、そんないい加減な!」と驚愕しましたが、ここはナポリ…。公共料金でさえも適当に計算されているのかもしれません(笑)。
ナポリ市外の田舎町に越して始めて住んだマンションには、1年程度住んでいましたが、そこには3年後に私への請求書が届いたとか。そのマンションの大家さんは私の今の住所も勿論知っていますが、「アキ、請求書届いたけど『この人は引っ越して住所不明です』と返事しておいたから平気よ!」と言っていました…。そうこうして数年、大家さん側に請求が来る訳でもなく、私の未払い水道料は却下?されたようです…。他にも2カ所のマンションに短期間住みましたが、そこには一切請求が来ていないようです。
半年前の事になりますが、町中で噂になった事がありました。「どうやら水道局が調べを開始したらしい」と…。当時の奥様方の会話は「お宅にも来ました?」「ええ、今からどの程度の請求が来るのか不安で。」「ウチは幸いな事にまだですの。」などでした(笑)。私も今のマンションに越して4年ですし、「そろそろ来てしまうかも…」と思っていた矢先に、水道局の方が!!
メーターは室内にある為、外からでは調べられないので、局員のおじさんは我が家に入り、長年開けていなかったと思われる錆び付いたメーターの蓋を、ナイフを使ってこじ開ける事から開始していました。私もその蓋が開くなんて思っていなかったので、それがメーターだと始めて知りました(笑)。ようやく蓋を開けてみれば、画面は曇って何も見えない…。おじさんは私に洗剤を持って来るように言い、一生懸命掃除して、ようやくメーターが現れ、書類に記載していました。
以後、私の主人の名前を聞かれ、書類にサイン。「ところで奥さん、どちらの方?」「はぁ、日本人です。」「日本かぁ、日本人ってやっぱり、お箸でご飯食べるのですか?」「そうですよ。」「いや、いろんな文化があって楽しいですね。イタリアと日本はどっちがいいですか?」「んー、それはどちらにもそれぞれの魅力があり…云々」と世間話をしつつ、オジサンは「じゃ、早くお子さんでもお作りになって、どうぞお幸せに!」と明るく去っていきました。
「感じのいいオヤジだったが、一体水道料の請求はどの位になるのか?」と、焦った私ですが、半年たっても請求書は届いていない…。一体いつ、私はナポリ生活初の水道請求書を受け取るのかハラハラ?しています(笑)。
他にも『訳わからない公共料金』として『ゴミ料金』があります。これは昨年請求方法が変わったらしい物で、早速我が家にも市役所の方がやって来ました。「ゴミの件でやって参りました。お宅の大きさを計らせてください。」と言いつつ、オジサン&ギャルが二人で巻き尺を使い、各部屋を計っていたのです。「あのー、どうしてゴミの事で部屋の大きさを計るのですか?」と聞くと、「家の大きさで料金が決まるのです。」との事…。「えー!そんな事って!!ウチは主人と私だけですよ!!他の世帯は子供3人とか4人いるのに、世帯数ではなくて大きさで決めるのですか?」と抗議しましたが、単なる市役所勤めの彼等に責任はありません…。つべこべ文句を言うのはやめました。
が、あまりに釈然としない制度なので、私はその晩、旦那に文句を言い続けました(笑)。「どうして?!バカみたいじゃない!!ウチは二人だよ!階下の家族なんてお爺ちゃんお婆ちゃんもいて一家8人だよ!ゴミの量は違うよ!8人と2人の世帯が一緒の料金払うなんて、もーなんでこういう制度が出来るのよー!!もー、だからナポリって訳わかんないんだから、ったくぅ〜!」と爆発してみましたが、旦那にも責任はありません(笑)。
やり場のない『釈然としない思い』は、私の中でふつふつと煮えたぎっていましたが、でも結局は一年半たっても請求が来ないのです…。それにだいたい請求方式が変わったと言っても、以前の方式がなんだったのか、知らないのです(払った事ないですから)。
請求が全く来ないので、私の怒り(?)も収まりましたが、でも違う意味で心配になって来ている感があります。「新しい制度とか決めても、それを実行していなくて大丈夫なのかしら?」と…。水道料だってそうです。一体どうやって水道局は運営されているのか? 深く考えると、このナポリ社会のシステムに不安を覚えるばかりですが、早い話、あまり考えない方がいいのかもしれません(笑)。公共料金支払いもなんだかギャンブルのような…「わー!請求きちゃった!アンラッキー!!」「まだ来ないよ!ほ〜〜!!」ってな感じなのでしょうか…。こういう社会で生きるのも、ある意味では楽しいな、と最近は大らかになっている私でした(笑)。
(1999年)
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