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 心の叫び:「オヤジ熊を産んでしまったのかぁぁぁ!」

 感動の母子の対面をすませた私。産まれた我が子はすぐに助産婦さんが別室に連れていってしまった。私は寝たまま先生が後処理をするのを待つばかり。そうそう、日本の場合、帝王切開は誕生までは半身麻酔で後処理は全身麻酔でするケースが多いようだが、私はずっと半身のままだった。

 感動の瞬間を終えたばかりだったが、我が子を一瞬でも見て、一つ気になることがあるから先生に聞いてみた。「先生、Pasquale、思ったより随分大きくないですか?」と。エコーでは推定体重2キロであった。

 しかし、もっともっと重いように感じた。Pasquale豊を取り上げてくれた先生は、彼を『抱き上げた』のだから、もっと実感があるはずだ。先生も「そうそう、3キロ近くはある感じだったわ!」と。そして麻酔医のフランコ先生が助産婦さん所に行ってくれて、始めてPasquale豊の体重を知ることに。なんと2750グラム。推定より750グラムも多かったのだ。

 いろいろな妊娠情報誌で『エコーはあくまでも推定であり、数値通りとは限らない』というのを読んでいたけど、本当にかなりのズレがあるのを身をもって知った感じだった。後期に入ってからエコー診断は、我が家の近所のエコー専門医師の所でもやっていてもらっていて、そこでも推定体重は2キロだったし、担当のピアッティ先生の計り方が悪いって訳じゃなく、本当に『エコーに起こる、可能性の高い誤差』だったのだ。

 でもでも、これが逆でなくて良かった。2750グラムと思ったのに2000グラムだったらショックだったろうし。そして早産扱いのお産になってしまったけど、胎盤の中には羊水がほんのちょっとしか残っていなかったようなので、やっぱり早めに出産したのは正解だったようだ。

 さて、話を術に戻すが、後処理の方が断然時間が長かった。それに緊張と感動は終わっているので、なんとなくダラーって感じで過ごしていた(笑)。で、意識はバリバリあるから、また私はピアッティ先生とフランコ先生とお喋りに没頭する(^.^;。フランコ先生が日本の医者のことを知りたがったので、私は知る範囲での話を色々する。そしてナポリの医師達の陽気さ、親切さを絶賛することを忘れなかった。と、いうか、私の絶賛は、フランコ先生の優しさを指していたんだけどね(^O^)。

 そんなこんなでお喋りに夢中になっていると、助産婦さんがキレイに洗って服も着させたPasquale豊を運んできてくれた。して我が子を私の目の前に持ってきてくれて、はじめてしみじみと顔を眺める時がきた。私は自由が利く右手で、彼の顔をなでて「bello、bellissimo…」と感動を込めて言ったのだが、心の中では全く別のことを思っていた。

 「げげげ!! すんげーオヤジ顔!! 生後数分で人生80年くらいの顔!!」「しかも毛が全身に生えているじゃないか〜〜〜!! なんだ、これは熊かぁ〜〜?」「つまり私はオヤジ熊を産んでしまったのかぁぁぁぁ???(T_T)」と心の中で叫んでいたのだ(笑)。

 ショックを隠しきれない私だったが、それでも世間体を考えて「bello、bellissimo…」と感動を込めて言うのは忘れず、なんとも複雑な思いが(笑)。「まぁ、産まれてすぐ、絶世のハンサム顔なんて無理よね…」と自分を慰めながら過ごしていた。

 ちなみに我が子との始めての対面は、「可愛い!!」と感動する人と「うわ!」とショック?を受ける人の2タイプあるようだ。私の姉や友人も「サルじゃないか〜!全然可愛くない〜!!」と思ったそうだ。新生児の顔って、ホントに『動物そのもの』って感じがあるから仕方ない。私もオヤジ熊と思ってしまったしな〜(^.^;。

 さて、術スペースの外の待合室で待っていた旦那、姑、義姉も、新生児室に入る前のPasquale豊を一瞬見れたそうだ。そして新生児室に入る時も少しの時間だけど、顔をジックリ見る事が出来たそうだ。旦那、姑、義姉の3人は『我先に!!』と相手を押しのけPasquale豊を見たという(笑)。そして3人とも「ベッロ、ベッロ、ベリッシモー!」と大叫びしたそうだ。オヤジ熊でも、新しいファミリーは、ベリッシモー!!なんだよね(^O^)。

 して、術後処理がようやく終わった私は、ピアッティ先生が「アキ、後で病室に行きます。その時にまたね。」と去っていき、フランコ先生も「シニョーラ・アキ、私も時間を見つけて病室に行きますよ〜! それではまた〜♪」と去っていった。そして他の助産婦さんにまた担架に乗せられて、エレベーター前まで連れていかれた。して助産婦さんは「今、お迎えの看護婦さんが来ますからね」と言って去っていった。

 術前も、同じ場所でかなり待たされたんだけど(^.^;、術後の方が長かったような…。待っても待っても誰も来ない。「どうにかしてくれ〜!」と思っても、自分の体は身動き出来ないし。「とほほ、こういうとこ、ナポリだよな〜」と思って、ずーーっと待っていると、お掃除のオッサンが「どうしたの?」と側に寄ってきてくれた(^.^;。してオッサンが内線電話してくれて看護婦さんを呼んでくれた。看護婦さんはお迎えを忘れていたようだ、ううう(T_T)。でもでもお掃除のオッサン、ありがとう!09/11/01