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 子供の産めない体になっちゃった女の子…
 想像以上の入院生活にアッパレだった私。あまりの人の多さと、あまりの暑さで汗だくのダブルパンチで入院当日からグロッキーになってしまいました。人の多さもさることながら、朝から晩まで男性もいる病室では気持ち的に休むことも出来ません。それにエアコンを入れられない状況もサイアク(T_T)。欧州全体でここ数十年で一番アツイ!と記録された時期でしたので、汗も朝から晩まで止まることを知らず、心身共に疲れ果ててしまいました。

 でも、面会時間をまったく守らない同室の女の子の家族を、看護婦さん達は注意したりしません。その子の叔母さん2名がその病院で働いている…って事で、彼女は特別扱いを受けていた事は確か。でも特別扱いだから…という訳で看護婦さん達が注意をしなかった訳ではなかったのです。何も言わなかったのは、彼女に対する同情だったと、色々話をして分かりました。

 単なる腹痛だと思って、でも用心の為に診察にやって来た彼女。検査の結果、卵巣に悪性の腫瘍があると分かり、急遽手術へ。実は彼女、同じ病院で3年前、すでに手術をしていました。なんと子宮が2つもある!!という事だったそう。そして今回の悪性の腫瘍発覚……。単なる腹痛と思っていたけど、悪性腫瘍で、また手術の必要が。そして最終的に子供が産めない体になってしまったのです(T_T)。

 本人は『子供が産めない』という事実を知らされてなかったのですが、家族以下、お見舞いに来る人達は全て、もちろん病院関係者や看護婦さん全員は知っています。私も病室を外した時に先生から話を聞いて知りました。こんなショッキングな結果になってしまったので、看護婦さん達も注意などしなかったのでしょう。実際に私がまだ何も知らない時に「どうして夜遅くまでの面会を許すの?」とある看護婦さんに聞いた時、「そりゃ手術したからよ! それに結果も良くないし。だからこんな時こそ、家族や人と居ることが大切でしょう?」と言っていました。

 もちろん私も、その話を聞いてから、単に文句だけは言わないようになりました。命に関わる事じゃないけど、子供が産めないって事は女性にとってショッキングな事。本人はまだ知らなかったけど、家族や親戚、彼氏、彼氏の家族の悲しみが手に取るように分かりました。自分たちは何も出来ないけど、とにかく側に居てやろう…という気持ちが伝わってきました。20歳の本人は何も知らず、入院生活にうんざりし、家族に我が儘を言い放題。でも家族は誰も彼女の我が儘をとがめることもなかったです。

 そんな彼らと私は結局、月曜から金曜の5日間を共にしました。結果が分かった後の病室は、いつもたくさんの人がいるとは言っても、どこかに悲しみが漂っていました。私もなんだか居心地が悪かった。だって、私は問題があると言っても、しっかり妊娠して子供を出産しようとしてる所。なのに隣に居る女の子は、子供が産めないと分かってしまった時。なんだか申し訳ない気分がしてしまいました。

 とにかく私は子供を生める体である事に感謝し、多少の居心地の悪さは我慢しようと、その5日間を乗り切りました。やっぱり、同室の彼女は、看護婦さんが言うようにたくさんの人に囲まれて、少しでも気分良く過ごした方がいいですからね。でもでも、私の人生の中で、あ〜んなに他人と一緒にいて、あ〜んなに滝のような汗をかいた日々は今までなかったと断言出来る、ある意味貴重な体験でした(^.^;。

 でもそんな私の我慢は過ぎてしまえば、笑い話になりますが、女の子の結果はどうにもなりません。今でも、彼女のお母さん、お父さん、お婆ちゃん、お爺ちゃん…その他の家族の、何かにつけてため息をつき、全身が悲しみの固まりになってしまったような表情を忘れる事が出来ません。14/09/01