イタリアの『嫁入り道具』とは、寝具やバスルーム用品を揃える Corredo と言われる風習です。新居を構え、新しい家庭のスタートを真っ新の製品で迎えてもらおうとする親心の現れかもしれません。普通は花嫁の両親が揃えますが、私の場合は外国人ですし、親はこちらのそんな風習を知りません。でも姑が代わりに揃えてくれる事になりました。
でもその内容はかなり大量でした! 冬用布団特別用、普通用、春〜秋用布団特別用、普通用。シーツやベッドカバーなども特別用(←とっても綺麗で品質の良い物)を3-4組、普段用は10組程度。そしてバスルーム関係もバスタオル、フェイスタオル、ビデ用タオルのセットを特別用数組、普段用10組程度…などなどです。それらを一気に決めるのではなく、今日はこれ、明日はあれ…などと、毎日姑と相談して色々決めていきました。とにかく異様な程の量を買うし、普段用でも良質の物ばかりです。総支出は、ナポリ平均お給料3-4ヶ月分…という感じですから「マンマ、そこまでしなくていいよ!」と私は言いましたが、姑は、やっぱり自分の息子の新居に、新しい物で揃えられた素敵な生活を始めさせてやりたい…という気持ちが強かったように思います。
舅は電気工学博士で、以前は収入も人並み以上にあったようですが、その時はすでに隠居をして何年もたっている。姑はなるべく節約…という事で、取っ手の壊れたお鍋を「まだまだ使えるからいいのよ!」と、使っているのに、息子の結婚に対してはお金を惜しまずに揃えてあげようとしている…。お金の話になってしまいましたが、そんな姑の気持ちは、お金ではなく、子供に対する愛情が溢れているように感じて、私も「マンマ、そこまでしなくていいよ!」と言うのはやめ、有り難く受け入れよう…と思い直しました。折角の姑の気持ちを「無駄だ」と私が言うのは間違いのように感じたからです。
確かに無駄で(笑)、あまりに綺麗過ぎて、結婚後4年たってもまだ使っていない物も多くあります(^.^;。「こんな物を買ってもらうより、もっとマンマ自身にお金を使ったら良かったのに。新しいお鍋も買って…。」とも思いますが、使えない品を今でも見つめると(←ホントに見つめるだけ:笑)、私達の結婚に対しての姑の愛情がひしひしと感じられ、それを大切に思っています。だからやっぱり『無駄』ではない事なのだ…と思う次第です。
そして新郎新婦の部屋着、寝間着、下着なども新しく揃えます。旦那の場合はナイトガウン、皮のスリッパ、部屋着各種、パジャマ一年分、下着&ソックス一年分などでした。もちろん新婦も白の製品を沢山揃えるのですが、そこまで姑に頼ってはいけない。かと言って、私の母親に揃えてくれ…とも言えません。だから私は自腹を切って(笑)揃えていく事にしました。普段は絶対買わないような、高級下着ブランドのガウンや、ネグリジェ。下着も各種、もちろん『白』です。その機会に挙式日に着る下着も全身揃えました。幸い、知り合いのお店2軒で揃えたので、友人割引もあり、自腹の私は助かりましたが、そのどれも、今ではクローゼットに眠っていたりするだけだったりします(笑)。それでも「あー、私ってば、本当に嫁入りするんだなー」と思いつつ買った品々なので、思い出深く残っています。
本来ならここで、新居の内装や家具の選択もあるのですが、私達は「結婚後もゆっくりやっていこう」派だったので、簡単な内装と家具を揃えるだけで済み、その点に関しての準備はラクだったと思います。そうしてなんとか、新居&新しい生活の為の準備は揃い、今度は、式の保証人選びでした。
日本のようにお仲人さんはいませんが、キリスト教教会で挙げる式は、新婦新婦の横に座り、その婚姻を保証する保証人が必要です。これは既婚未婚関係なく出来、新婦様に調べていただいたら、キリスト教信者でなくても可能だとか。と、言う訳で、私の保証人は、日本からやって来る私の親友に頼む事になりました。そして旦那側の保証人は、旦那の姉夫婦に依頼。義姉は「きゃー!新しいドレス、オーダーしなくちゃ!!」と大騒ぎでした(^.^;。
私達の保証人選びはすんなり決まりましたが、他に面白い話があるので、ここに書いてしまいたいと思います(^.^;。私達の半年後に旦那の兄が再婚しましたが、その時の保証人選びには笑えました。先ずお嫁さんが、姑の所に来て「お義母さん、あの人は○○さんに保証人をやってもらいたいって言ってるんですけど、私は反対なんです。お義母さんはどう思います??」と言っていました。それに姑は「○○クン??う〜〜ん、それは良くないでしょうね…。」と、答えていました。それを聞いていた私は「どうして?? ○○さんって義兄の恩師でしょ? ならば何も問題はないんじゃないの?」と聞くと、姑が「でもアキ、彼はデブだし、服装の趣味もちょっとね…。」と(笑)。「ちょっと、ちょっと、マンマ!! 保証人ってルックス良くないといけない訳??」と聞くと「そりゃそうでしょー。アキ、保証人は式の写真にいっぱい残るんだよ。だからある程度、見かけが良くないと…。」と。それに輪をかけるようにお嫁さんが「そうですよー!! 私、自分の式の写真にデブで変な服装する○○さんなんて残って欲しくないの!!」と…。婚姻はお祭りでなく、しかも愛情を家族の皆から受け、幸せにする物…と思いきや、こんなミーハーな思いもあるなんて、さすがナポリ!!って感じで、私は思わず爆笑してしまいました(^.^;。
だからこそ、私達の結婚式に保証人を頼んだ義姉夫婦が、新しい洋服をオーダーしてまで奮起してくれたのが実感出来ました(^.^;。それに、私のイタリアの親友で、コモ在住の友人からも、式参列に関する服装の件でたくさんの質問を受けました。彼女は旦那も旦那の家族も知らなかったのですが、電話で矢継ぎ早に質問…「旦那さんはどんなタイプ? そして家族の皆さんは? お姑さんは幾つ? 専業主婦? 保守的? それとも理解あるタイプ?」と…色々。「ねぇ、どうでもいいけど、服装と旦那と旦那の家族の性格が、どうしてアナタの服装に影響あるわけ?」と聞くと、「そりゃーアキ、これは重要よ。超オシャレにして行っても、それを奇抜だ…と思う人もいるでしょ? だから結婚式なんかは、新郎新婦の家族の性格まで聞いて、そこから服装を決めないと、イヤな思いをされる事もあるから…。アキの親友が来た! でも奇抜な服装していた!!なんて思われたら心外じゃない?」と言っていました(笑)。う〜む、やはりイタリア人は先ず見かけから始まる…というのの象徴のような感じで、またまた笑えた話でした(笑)。
さて、そんなミーハー?な所もあるイタリア、ナポリ。そして、その象徴は、式に雇うカメラマン選択もそうでしょう。次回はそのお話をしていきます。(06/09/00)