日本からミラノの語学学校の3カ月コース(紹介アパート付き)を申し込み、大韓航空の1年オープンチケットで、先ずはロンドンに。友人宅で1週間過ごしました。どうしてさっさとミラノに行かなかったのか…やはり、私も初の海外生活となると緊張の固まりになっていたようで、ロンドン在住の日本人友人宅で先ずは心の準備をしたかったのかもしれません。友人から色々なアドバイスを聞き、彼女のイタリア人友人に紹介もしてもらい、私が日本で学んだイタリア語がどの程度通じるのか、試す機会も作ってもらいました。
しかし1週間はあっと言う間に去り、友人と旦那様にガートウィックまで送ってもらい、一人BAのミラノ行きの飛行機に乗るのは、とっても恐かった。「これからどんな事が起きるのだろう? 学校に紹介してもらったアパートはどんな所なのか?」と、不安でいっぱいで泣き出しそうになった程です。
そんな不安げな私の隣の席に座っていたのは、同年代の弁護士のミラノ女性でした。ロンドン→ミラノの2時間半の飛行の中、彼女の完璧な英語&伊語と、私のつたない英語&伊語で会話し、どうにか私がイタリアが好きでミラノに移住を決めたという意志表示ができ、親切な事にミラノの空港に着いてから市内までのバスも案内していただき、中央駅に着いた時に私がリラの現金を持っていないとわかると、両替所にまで同行してもらい、係員が適当に数えたお札を私が無言で受け取ると「ちゃんと確認した方がいいのよ!」と教えてくれ、受け取ったお札を数え、さて私はタクシーに乗ってアパートへという段になっても彼女はタクシー運転手に「彼女はイタリアが好きでここに住む為にやって来たのよ。ぼったくりなんかしないでよ!何かあったら私に電話して貰うようにするからね!」と言ってくれたのでした。
不安でいっぱいだったのに、ロンドンからの機上で親切なイタリア女性に出会え、本当にハッピーでした。アパートの通りに着き、運転手さんは弁護士の彼女が言ってくれたように、キッチリした金額を言い、チップも拒んでくれた程でした。
重いスーツケースを引きずりながら、そのアパートの入り口で学校からの紹介の家庭の名字を探しましたが…ない……。何度落ち着いて探してもない……。丁度日曜でアパートの管理人さんもお休みで、ドアは固く閉ざされたまま、私は呆然としてしまいましたが、取りあえず電話を…と思い、近くの公衆電話を見つけ、電話するが、出ない…。「もーーーーどうすればいいのーーー?」と、途方に暮れながらスーツケースの上に座っていると、日曜の午後の人通りも少ない時に、犬の散歩をしていたおじさんが「どうしたの?」と声をかけてきてくれました。私がつたないイタリア語で説明すると、近所のバール(喫茶店)などにその家族の住所を聞きに行ってくれ、わざわざ一緒について来てくれました。
学校が教えてくれた住所は間違っていなかったのですが、番地が22でもその上に『22A』や『22B』などがあり、学校が教えてくれた住所はそのアルファベットの部分が抜けていたようで、私が滞在するアパートは実際は22Aでした。21や23なども調べたのに、まさかAやBもあるとは知らず、パニックになってしまった自分を恥ずかしく思いましたが、親切に調べて、一緒に来てくれて、私がようやく22Aのアパート入り口から指定の家族の名字を見つけ、インターフォンを押し「あ、日本人のアキです。語学学校から紹介の…」と言い、そこの娘さんが「はい!すぐ降りますから!!」と答えた時に、「じゃ、これで平気だね。チャオ!」と笑顔で去って行ったおじさんにとっても感謝しました。
そんなおじさんの後ろ姿を有り難く見つめていると、娘さんが玄関を勢いよくあけて「あなたがアキ?あ。まだ英語で話した方がいいかしら?(ここから英語になって)ようこそ!さ、さ、荷物は私が持つからどうぞ!!」と、歓迎してくれました。
エレベーターを上がって3階が大家さん一家のお家で、反対側が女子共同マンションになっていました。想像していたよりずっとステキなマンションで、サイコーでした。アパートシェアも3人で、私とイタリア女性&スペイン女性。二人ともとてもいい人のようで、私はミラノに着いた初日から大満足になってしまいました。
初対面の挨拶を済ませ、そろそろ荷物の整理を…と思った時に、電話がルルル…。イタリア女性のセレーナが出ましたが、私の部屋にやって来て「アキ…早速アナタに電話だよ。」と私に受話器を差し出しました。(こんな早く一体誰が電話くれたの? まさか日本からじゃないよね、ロンドンからでもないよー)と思いながら恐々「プロント?」と言うと「アキ? 私はさっき機上で一緒だった弁護士のマルティアよ!ちゃんとたどり着いた?」
彼女は心配して電話をかけてくれたようでした(笑)。私は「うん、タクシー運転手はチップもいらないと言ってくれたし、アパート見つける時に少し迷ったけど、とってもいい家族と同居者の方々みたいで、私のイタリアでの生活が楽しくなりそうです!」と答えると、「良かったね!じゃ、また会おうね。何か困った事があったら電話ちょうだいね!」と彼女は言ってくれました。
ステキなマンションになったのも、同居者がいい人達なのも、嬉しかったですが、それ以前にロンドンからの機上で、こんなに親切なミラノ女性に巡り会えた事と、通りでのおじさんにも感謝し、私は『暮らす』という意識を持って始めてやって来たミラノでの初夜?を、不安を吹き飛ばすように爆睡したのでした(笑)。