東京での生活に何か不満があった訳ではないのですが、20代に入った時から漠然と『海外に住んでみたいなぁ〜』と思っていました。前にも書いた通り、先輩デザイナー達が遊学&留学に行き来するのを見ていて、「う〜ん、カッコイイ!私もどっかに住みた〜い!」と100%ミーハー精神だけで思っていたのですが(笑)。
そして始めての欧州長旅でイタリアが大好きになり、ターゲットはイタリアか?と思いましたが、大好きなアメリカにも行っていない。それにまだ行っていない国々の中にもピンと来る国はあるかもしれない! それにイタリア以外でもスキになったイギリス&フランスだって再度訪れればまた違った印象があるかも?…と色々思惑しました。
一目惚れでそのままゴー!目指すはイタリア!…でも良かったのかもしれませんが、欲張りな私は大雑把にでも色々見てからでないと、我慢がならなかったのです。そのままイタリアに行ったはいいが、本当はアメリカや他国の方がずっと私に合っていた…なんて事があったりしたら悔しいですから(笑)。
そしてツアーは一回目だけで終わり!二回目の旅行からは個人旅行にて色々回りました。勿論一番期待していたのはアメリカです。それもNY!…が、しかし、イタリアの地に足を付けた途端、何か『ピン』と来たのとは違って、何も感ずる事なく帰国の途についたのです。以後も西を訪れてみましたが、東よりは私向きか?と思いましたが、それでもなんとなく『違う!』と感じました。旅行には楽しいけど、住むとなったら私には無理かも?と、国の空気を感じて思いました。だってなんだかたいへんそうなんですもの!!(笑)
しかし私の『理想郷探し』は懲りずに続き、そして計20カ国になった頃でしょうか…見たい所は見た!英仏も何度もリピートした! 結論を出しても悔いはなさそうな時期に来た時に、私が思った事は『やっぱりイタリアだ!』でした(笑)。
そして始めての旅行から6年たった時に、私は再びイタリアに個人旅行計画を立てました。そう…実はその間『禁イタリア』していたのです(笑)。初印象があまりに強烈だったので、また行くと他を見ずに絶対にイタリアに留まってしまうと懸念したせいもありますが、6年ぶりに訪れるパラダイス:イタリア旅行に行く数カ月前から心躍る日々を過ごしていました。
その旅行の始めは通い慣れた(?)ロンドン。ロンドンも行けば行くほど好きになって「イタリア行って感じが変わっていたら、ここに住む事にしよう」と思っていた私でした。そしてBAのロンドン→ミラノの飛行機に乗って、いざイタリアへ!
そんな私の思いを覆すか如く、イタリアはやはりイタリアでした(笑)。空港に降り立った瞬間に「あーー!イタリア〜〜〜!」と感動し、安ホテルを見つけ、即刻ミラノの象徴:ドゥーモ広場に着いた時などは、地面にひれ伏して「他の国々の方がいいかもしれないなどと思ってゴメンナサイ!やっぱり私には、イタリア、あなたしかないです!!」と全身で喜びを表現してしまいました(笑)。
何がそんなに惹かれるのか…私はイタリア文化&歴史などに全く興味もなかったですが、とにかく居るだけで違う。イタリアの空気を感じるだけで心地よい…言葉では表現出来ない感覚が私の中に生まれて来るのです。特にその2回目の6年ぶりのイタリア訪問は、他の国々を回った後でしたので、その感覚はより一層深く私に根付きました。
大満足のイタリア旅行を終えて、それからが早かった。半年間寝る間も惜しんで猛然と働き、どうにかイタリアにて語学留学出来るだけの資金を貯める事が出来たのです(それまで貯金はゼロでしたが、思いが強ければ人間なんでも出来るモノですね:笑)。語学留学という面目でしたが(あわよくば仕事でも見つけてみたい…)と思っていた私は、住む町をなんのためらいもなくミラノに決めました。仕事柄、イタリアの商業的首都であるミラノ以外には考えられなかったのです。
が!しかし、私の頭にかすめていたのは、ナ・ポ・リという三文字でした。それまでは北&中央イタリアにしか行った事のない私でしたが、そこで出会う方々の中で、気が合うのがナポリ人達だったのです。日本でも丁度ジローラモさんがNHKの講座の担当になられたばかりで、彼のキャラに私が知り合ったナポリ人達の姿が見えて来ました。 そして友人から勧められて観た映画『マカロニ』(エットレ・スコラ監督)はナポリの物語で、無性にナポリに惹かれ始めている自分に気付きだしたのです。
でも今まで一度も行った事のないナポリにいきなり語学留学はしたくないし、ミラノには友人もいるし、取りあえずミラノに行って、それからナポリに週末旅行でもしてみよう!と思い、私はミラノの語学学校に手続きをし、勤めていたデザイン事務所の社長に「イタリア行きます!とりあえず一年!ダメだったら帰って来ますから、その時はまた雇ってくださいね!!」などと勝手なお願いをして、大韓航空の一年オープンチケットの、また!ロンドン経由で旅立ちました。