本格的なナポリ生活を始めたのは、ホームステイしたDi Meo家の『女性共同マンション』でした。語学学校に紹介されたのが、元々このマンション。ただ、ナポリ大学に通う建築家を目指す学生さんが追試で、マンション滞在を延期して、私はホームステイになったのですが、前のナポリ滞在中にすでにマンションは見せていただいていました。
ナポリの山の手『ヴォーメロ』。ステキなショップがいっぱいで、とってもオシャレ。しかもその地域では有名な『金メダル広場』(笑)に面している絶好のロケーション。パパが「ほら、アキ!ご覧! 窓を開ければ『金メダル広場』だよ!!」と自慢げに言っていましたが(笑)、ナポリと言えば下町の猥雑な雰囲気が好きな私は、ちっともナポリと思えない山の手:ヴォーメロに不満でした。
「コレじゃミラノと変わりないよぉ。どこもかしこも適当にオシャレで、味気ないなぁ。もっと100%ナポリです!!みたいな所がいいのに…。」と思っていましたが(笑)、マンションには住人共同の大きなお庭があるし、お部屋も大きく、テラスもあって快適。ナポリとは思えないお上品?な地域でも、取りあえずここで生活を始めてみようと思ったのです。
それにお世話になったDi Meo一家が大家さんだという安心感がありました。その前の一ヶ月強のホームステイ時に、お金が底をつき始めて「ミラノから友人達が来るけど、節約の為にカプリには行かないつもり。2泊すれば結構お金がかかるしなぁ。まぁカプリはいつでも行けるから今回は諦めて、夏に行こう!」と言うと、パパが自ら「アキはまたナポリに帰って来るんだろ? だったら家賃はその時でいいから、節約なんて言わないで、お友達とカプリでゆっくり週末を楽しんで来なさい。」と、私が使ってしまわないようにと先に支払っておいた家賃分のお金を差し出してくれたのです。
ホームステイまでは全くの他人だったのに、こうして私を信用してくれました。もちろん東京に帰ってすぐ送金しましたが、幾ら払えばいいのか分からなかった食費代は、再びナポリに戻ってから支払いに。それも本当に気持ちしか受け取ってくれませんでした。そして私がDi
Meo家に預けてあった大量の荷物も、私がナポリに戻る日には、キチンとマンションに運んでいただいてありました。
こんないい大家さんに恵まれたのですから、ナポリらしくない地域のマンションだって満足しないといけません。それに下町よりも安全ですし、申し分ない環境。文句を言う方が間違っています(笑)。
そして私は、6月、再びナポリの地を踏んで、そのマンションで生活を始めたのです。同居者は、元々ナポリ人ですが、お父さんの仕事でお隣のモリーゼ州に移住して、でも大学はナポリにして家族と離れて暮らすルチーアと、イタリアに語学勉強と仕事をする為にやって来ていたスウェーデン人女性2名、そして私…の計4名でした。
ミラノでも女性共同マンションに住み、イタリア人、スペイン人女性達と暮らしましたが、皆とっても真面目な女性達で、同居のトラブルが起こった事は皆無でした。が、ナポリで始めてのシェアマンションでは、色々な問題がありました(^.^;。
スウェーデン人女性の内、一人はとっても穏やかで優しい女性でした。が、もう一人の女性は、ナポリでモデルをしてるとかで、確かにスタイルの良い、抜群に美人な女の子。でも性格が大胆?で、シャワー浴びて素っ裸のまま家中をウロウロするし(笑)、勝手に人の物を使っては「なに、コレ? 日本人ってこんな物使うわけぇ〜?」とイヤミ攻撃。しかもかなりの発展家らしく、毎晩深夜に男性達と帰宅してはマンション内でヨロシクやっている…。
それに彼女達が付き合う男性は遊び人ばかりなので、同居の私もそういうタイプの女性だと思われ、「あのマンションに住んでるだろ? 北欧の金髪もいいけど、東洋の黒髪も好きなんだよ、オレ。」とか言いながら、仕事の帰りにマンションの入口で、声をかけられたり、電話をしてこられたりしました。
もう一人の穏やかな女性もルーズな方で、二人は一切マンションの掃除をせず、それまではルチーア一人で家中の掃除をしていたとか。私は仕事で朝から晩まで家をあけていたので、彼女達と話す時間もなかったですが、ルチーアに聞くと、本当にたいへんそうでした。お掃除ももちろん私は日曜などに手伝いましたが、スウェーデンのお姫様二人(笑)は、「あら、お掃除ご苦労様!」と言うだけ…とほほ。
でもそんなお姫様達が数ヶ月後に自国に帰る事になり、ホッとしたのも束の間、今度はサルデーニャ島出身のスペランツァというイタリア女性がやって来ました。彼女はサルデーニャ訛のイタリア語で、マンションを仕切り始めました(笑)。それまでのんびりナポリ人のルチーアが、光熱費などの支払い延滞をしていたのをスバスバ指摘。「ダメよ、こんな事じゃ! はい、ルチーア、明日、電気代支払って来てね。アキはガス代、私は電話代。こうやって分担して払う事にしましょう。それに掃除も分担、分担。共同設備品は毎回交代で買い物する! はい、電卓も買って来たから、コレと金銭出納簿をここにいつでも置いておいて、皆でキッチリ管理していきましょうね!!」と、見事な程の仕切りパワーを見せつけてくれ、確かにキッチリして良かったのですが、なんとなく息が詰まる思いでした(笑)。
が、そんな彼女とルチーア間にトラブル発生!! スペランツァ不在の時に、彼女の彼氏が訪問してきて、勝手に上がり込み、マンションに一人いたルチーアにアタック(笑)。まぁその男性が「僕はスペランツァの『友達』だ。」と言っておいて、ルチーアを口説いたらしいのですが、彼女達二人の仲は超険悪に…。
何も知らなかった私も毎晩仕事から帰ると、二人の喧嘩を目の前にする…。痴話喧嘩はほっておいて、部屋に入ると先ずはルチーアが来て「アキ、聞いてよぉ…。」と怒りの涙を流しながら語る…。それが終わると今度はスペランツァがやって来て「アキ、さっき彼女、何て言ってたの?まったく人の男取るなんて…云々…。」と(笑)。「こっちは仕事で疲れてるから話なんて聞けないよ!!」とは言っても、彼女達の口は閉じる事を知らず、こんな調子で毎日が過ぎていきました…。
「でもなぁ、他にもいろんなトラブルの話を聞いてるから、まだ私のケースは別に問題っていう程でもないかもなぁ〜。」と思いながらも、一人暮らしを始めたくなり、他にもマンションを探し始めましたが、気に入る所はなかなかなく、ステキな物件を見つけてもこちらの住民権がないと契約出来ないとかで、結局私はそこに半年住み続けていました。今から思えばいい経験ですが、「もう絶対に他の人とは住みたくない!」と固く誓ってしまった私です(^.^;。(15/03/00)
話は前後してしまいますが、次回は、こちらでの仕事のお話をしますね!!